2022年8月7日(日)、二番目に訪れたのは Jenzat 。Église Saint-Martin です。
ここは、ロマネスク様式の柱頭と、「ああ、ここの天使だったのね」と対面する15世紀の壁画があります。
Jenzat へ
私はエスクロル(Escurolles)から西に10分ほど車を運転し、シウル(Sioule)川の近くに佇む教会につきました。10時半頃のことです。
樹木が茂っていて教会の姿がよく見えませんが、初見の佇まいをお伝えするには最適の写真。
Église Saint-Martin の外観:東側
前回にご紹介したエスクロル(Escurolles)の案内パネルに「ジェンザの教会と同様に」と書いてあった、後陣を見ます。
東側へ。
確かに、つけ柱の周りに輪をかたち作っています。
さらに、柱頭彫刻もあります。
あと、後ほど書きますが、領主の葬儀のための黒塗りの帯が描かれています。
Église Saint-Martin の概要
教会の外に案内板がありました。一部を抜粋して太字で和訳します。
ジェンザ小教区教会は、旧クレルモン教区に属していた。11世紀末に、小修道院が加えられた。
この教会は、3回の工事によって作られた。ファサード、側壁、北翼廊壁は11世紀のものである。
12世紀中頃になると、内部が完全に改修された。身廊の二つの柱間と翼廊はこの時代のものである。
ゴシック時代の初めに、クワイヤは、より広いプランで再建された。
クワイヤは12世紀末から13世紀初めの改築です。
15世紀には、南側が増築され、領主の礼拝堂として使用されるようになった。
この教会の柱頭は注目に値するもので、そのうちのひとつは曲芸師と音楽家を表している。
アーチの下には、大天使ガブリエルがマリアに救い主の母となることを告げる場面や、
他の登場人物が描かれている。
身廊の両側壁は、1430年頃、ジェンザ公フィリップ・ドービニー(Philippe d’Aubigny)の妻カトリーヌ・デリソン(Catherine d’Heriçon)が注文した壁画で飾られている。24枚のパネルがいくつかの列をなし重なり合って配置されている。
〜おまけ〜
例外的に、ゴシック様式の壁画をご紹介します。
主扉口を入ってすぐの壁には、イエスの生涯が描かれています。
向かい側は、イエスの生涯の話の続き。
15世紀に増築された領主の礼拝堂の隣壁には、アレクサンドリアの聖カタリナの生涯が描かれています。
教会の内外には、領主の葬儀のための黒塗りの帯が描かれており、その上にはオービニー(Aubigny)家の紋章が描かれている。
Église Saint-Martin の内観:ゴシック様式の天使図
ロマネスク美術について書いている私のブログでは、ゴシック美術については通常は流すのですが、例外的に取り上げています。
実は、2022年夏の旅の初め頃である7月30日に、ユリエル(Huriel)の教会の中でこんな案内を見たんです。壁画が残されている教会を紹介する案内の表紙です。
この天使の図が、強く印象に残っていました。それが、こちらの教会で後陣をひとめ見て、
「ああ、ここの天使だったのね」
と感慨深かったんです。それに、
漫画のような絵がかわいくて、気に入っちゃいました。
Église Saint-Martin。ロマネスク様式の柱頭と、漫画のような15世紀の壁画があります。
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