2022年8月2日(火)、三番目に訪れたのは Yzeure 。Église Saint-Pierre です。
Yzeure へ
私はスヴィニー(Souvigny)から、途中でアリエ(Allier)川を越えつつ東に19分ほど車を運転し、大きな町につきました。14時頃のことです。
私が行った2022年8月当時は、教会を訪問するには、あらかじめ役場(Mairie)に依頼して鍵を開けてもらう必要がありました。このため、この日時に訪問できるよう、前もって約束してあったんです。
Mairie は教会の南(上の写真↑の向かって右の建物)にあり、約束してある旨を告げると、鍵の管理者に電話して呼んでくれました。
Église Saint-Pierre の外観
鐘楼は18世紀のものですが、ファサードには12世紀のロマネスク建築が残ります。
ファサードには二つのロマネスク様式の扉口があり、向かって右に小さい扉口があります。
大きい扉口には、より多くの装飾があります。持ち送りのほか、
生き物たちや
人や植物
いきいきとしています。
Église Saint-Pierre の概要
教会の中に、案内掲示がありました。一部を抜粋して和訳します。
オータン教区(Diocèse d’Autun)の旧小教区およびムーラン共同体のオリジナル教区として地下聖堂と交差部が建築された。1151年に小修道院はサン・ムヌー(St. Menoux)の女性ベネディクト会修道院に譲渡され、身廊と側廊が建設された。16世紀に小修道院と教区教会は単独の教区教会となった。身廊と側廊の柱には、32の柱頭に彫刻が施されている。鐘楼は1770年に落雷で破壊され、革命前に現在の姿に再建された。
フロアプラン
教会の中に、案内掲示にフロアプランがありました。東が上です。
12世紀にはラテン十字の三廊式であったものに、15世紀に北側に増築が行われました。
教会内部の見どころは、10世紀の地下聖堂と、12世紀の身廊の柱頭彫刻です。
Église Saint-Pierre の内観:全体
教会の中の、全体の様子です。
北側
南側
意匠をこらした柱頭彫刻が32あります。
Église Saint-Pierre の内観:柱頭彫刻
鍵の管理者は、とても物静かな男性でした。
いるのかどうかわからなくなるくらい。
でも、いつの間にか照明がついて、
気がつくとおだやかにグレゴリオ聖歌が響いていました。
厳かな雰囲気がただよう中、気の向くままに美しい柱頭彫刻をみられるの、すごく気持ち良いです。
植物を中心とした装飾が多い中で、この彫刻は人がいっぱいでした。
別角度には、ところせましと、人がぎゅうぎゅうにいます。
こちらの人は、半身が柱に埋まっています。
15世紀に、北側廊の北に増築がおこなわれたとき、埋められたかな。
でも、みなさん厚い唇で目の表情が豊かで、いいです。
柱頭彫刻のあと、内部でのもう一つの見どころは、地下聖堂です。
Église Saint-Pierre の内観:地下聖堂
教会の中の案内掲示に、地下聖堂のフロアプランもありました。この部分↓です。東が上。
地下聖堂へは、小後陣からいきます。
物静かな鍵の管理者の男性がつけてくれた照明のおかげで、安心して降りられます。
見えてきました
思ったより、新しい。
柱は角柱で、柱には装飾は、、、みあたりません。
装飾といえば、ヴォールトに天井画がたくさんあります。
15世紀に描かれ、19世紀末に修復されたもの。
時代のながれを感じます。
Église Saint-Pierre の内観:北翼廊に秘められた彫刻
「さて、見どころは見終わった」とばかりに地上に戻り、鍵の管理者の男性にお礼を言うと「これをご覧になりますか?」と、特別に開けて見せてくれました。
北翼廊の壁の中に、なにかあるようなんです。
なんと、彫刻がありました。
撮影していいか尋ねると「はい」と答えてくれたので、遠慮なく撮影しまくり。
写実的で、こういう人、どこかにいそう。
両手が失われていますが、こうして大切にされています。
とても良い時間を過ごすことができました。
Église Saint-Pierre。地下聖堂、ファサードの扉口、身廊と側廊の柱頭彫刻がたいへん魅力的です。
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