パルマ(Parma)<1>

2019年12月の旅行七日目、最初の目的地はParma。泊まっている宿をチェックアウトして荷物を預け、徒歩で見学します。向かうのは Cattedrale di Parma 。

旅行六日目、12月12日(木)の予定は
20. – 22. パルマ(Parma)
23. – 24. ボローニャ(Bologna)

この日(12月12日)は、徒歩と電車で移動しながら、パルマとボローニャで合計五箇所を巡ります。その後、ボローニャで一泊し、翌朝の飛行機でついに帰国となります。

最初の目的地であるパルマ(Parma)については、以下の通り、三回に分けて書きます。
<1>ではパルマ大聖堂(Cattedrale di Parma)、
<2>ではパルマ洗礼堂(Battistero di Parma)、
<3>では司教区博物館(Museo Diocesano)
についてです。

グーグルマップの画像を私が編集しました

パルマ大聖堂(Cattedrale di Parma)

泊まった宿は、電車駅に隣接している便利さで選んだのですが、その宿から大聖堂へは南に1.3km、徒歩16分の道のりです。

この日は冷たい雪でした。

ドゥオーモ通り(Str. Duomo)を進むと、正面にゴシック様式の鐘楼(13世紀)と洗礼堂が見えます。

前の日に、ベルチェト(Berceto)の食料品店で店の人たちが「明日は雪が降りますよ。私は雪が大好きなので今から楽しみなんです。」と話していたことを思い出します。

山の上に位置するあの村では、きっと、真っ白に積もった雪を楽しんでいることでしょう。

気持ちだけはあたたかくなりながら、大聖堂に到着しました。

大聖堂の外観(西側)

中に入ります。

それはもう、豪華です。

大聖堂の内観(ファサードを背にして東を向く)

フレスコ画がびっしり。

大聖堂の内観(ファサードを背にして東を向く)

大聖堂の概要

案内掲示がありました。

案内掲示

案内掲示によると、

現在の大聖堂は、9世紀に建てられた古い建物の跡地に建てられており、その建設は、司教ウーゴ(1027-1044)によって始められ、その後継者たちによって継続されたのち、1106年10月31日に教皇パスカリス2世によって聖母マリアに捧げられました。

切妻のファサードには、3層の小さなアーチがあり、そのうち一番上のアーチは傾斜した屋根と平行になっています。下部に三つの扉口があり、中央の扉口の前には、ライオンを配した2本の大きな円柱が設置されています(Giambono da Bissone、1281年)。中央の扉口の彫刻はルキノ・ビアンキーノ(Luchino Bianchino、1493-1494年)によるものです。

大聖堂の外観(ファサード中央の扉口)

ゴシック様式の鐘楼は、1284年に着工され、1294年に司教オビッツォ・サンヴィターレ(Obizzo Sanvitale)の要請で完成したと考えられています。

教会はラテン十字形で、七つのベイを持つ三つの身廊、二つの小後陣を持つトランセプト、四角形のベイと半円形の主後陣を持つ聖歌隊席を備えています。15世紀から16世紀にかけて、各身廊に五つの礼拝室が設けられました。その後、北側に参事会員の聖具室❶、南側に協会員の聖具室❷が建てられました。

案内掲示のフロアプラン

1530年から1534年にかけて、コレッジョ(Correggio)がドームに「聖母被昇天」のフレスコ画❸を描き、ジェロラモ・マッツォーラ・ベドーリ(Gerolamo Mazzola Bedoli)後陣の半ドーム❹、聖歌隊席のヴォールト❺、そして1555年から1557年にかけては身廊のヴォールトに装飾を施しました。1567年から1573年にかけて、ラッタンツィオ・ガンバラ(Lattanzio Gambara)は、ファサード反面に「昇天」❻を、主身廊のベイに「新約聖書のエピソード」のフレスコ画を制作しました。主身廊は、さまざまな技術者によって彫刻された柱頭(約1106年-1120年)で装飾されており、擬人像、宗教的、幻想的な図像が描かれています。右側のトランセプトには、1178年にベネデット・アンテラミが彫刻した「十字架降架」❼があります。主祭壇はルネッサンス期に作られたもので、12世紀末に作られた白と赤のヴェローナ産大理石の聖櫃には、聖人殉教者の遺物が収められています。

アンテラミの「十字架降架」

フロアプランでの位置にある、アンテラミの「十字架降架」がロマネスク美術として必見なのですが、、、

〜2022年12月更新〜
2019年12月には写真を撮り忘れた私でしたが、2022年12月16日に再訪し写真を撮りましたので、その写真を載せて更新します。

アンテラミの「十字架降架」(2022年12月16日に撮影)

人物や天使たちの表現も緻密で、背景(左右と上部)に帯状にほどこされた装飾も繊細。

アンテラミの「十字架降架」は、現在バルドーネ(Bardone)にある「聖女マルガレタの親方」による「十字架降架」に影響を与えた、と言われています。

「聖女マルガレタの親方」による「十字架降架」

こそこそ話ですが、個人的には、牧歌的で優しい描写の「聖女マルガレタの親方」の浮き彫りの方に、より強くひかれます。

身廊の柱頭彫刻

身廊には12世紀の柱頭彫刻があるんですが、カラフルなのがあったり

身廊の柱頭彫刻(12世紀)

金色にかがやいていたり。

身廊の柱頭彫刻(12世紀)

フレスコ画をうまく引き立てています。

身廊の柱頭彫刻(12世紀)

パルマの大聖堂は、威厳ある絢爛豪華な姿です。

地下聖堂

内陣の下に地下聖堂があるんですが、

地下聖堂への入り口

地上階の圧倒するようなフレスコ画に比べて、たいへん簡素です。

地下聖堂

地下聖堂は、静かで、なんだか落ち着きました。

次回、洗礼堂を見ます。

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