2019年12月の旅行二日目と三日目。イタリアの妹(私が留学した時のホスト・シスター)の結婚式とその前後の行事の様子をご紹介します。ロマネスクとは関係ないのですが、郷土愛にあふれてて良かったので。
結婚行事は、まる二日がかりでした。
<結婚式の前日>
新婦宅で昼食会、続いてピザ屋で夕食会
<結婚式の当日>
教会で挙式、続いてレストランでの昼食会&披露宴
そして友人、家族、親戚などが数多く集まって交流します。一番びっくりしたのは当日の昼食会&披露宴でしたが、順を追って話します。
(日本を出発する前に贈った結婚祝いについて。私は新婦がアマゾンの通販サイト上に作った「結婚祝いに欲しい物」のリンクを送信してもらい、その中から一品を選んで贈りました。私が注文して支払うと新婦の自宅に品物が届く便利なシステムです。)
まず、前日の新婦宅での昼食会です。新婦の母が手作りした郷土料理を楽しみながらゲストと旧交をあたためました。
イタリア料理は第一皿でパスタやスープ、第二皿で魚料理や肉料理が提供されることが多く、エミリア・ロマーニャ州のこのあたりでは慶事の第一皿にはカッペッレッティ(cappelletti)という詰め物のパスタがよく使われます。
ちなみに、地域によってはトルテッリーニ(tortellini)と呼ばれます(むしろこっちの呼び名が一般的かも)。
上の写真のカッペッレッティ(cappelletti)は新婦の母がなんと一週間もかけて一つ一つ手作りしたもの。
新婦の父が「手伝おうかときいたら『ダメ』と言われたんだよ。『ゲストにはきれいなのを食べてもらいたいから』って言うんだ。手をしっかり石鹸で二回も洗ったんだよと言っても『ダメ』だって。だから皆さん安心して食べてください」と言って笑いをとっていました。
そんな風に新婦の母が腕によりをかけて作ったカッペッレッティがもう絶品。
それはもう美味しくて、おかわりする人が続出でした。
上にかけるチーズはパルミジャーノ・レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)です。
そして第二皿目はロースト・ポーク。
デザートはライス・プディングで、こちらは新婦の姉が作りました。
多くのゲストがデザートを持ち寄っており「私もこれを持って来たの」と言いながら次つぎと切り分けたのでテーブルは甘い香りにつつまれました。昼食会では料理もさることながら、、、
いちばん感動したのは新婦とホスト・マザーとの再会でした。
新婦が留学でホームステイしたのはアメリカ。ホスト・マザーは結婚式のために大西洋をわたったのです。
ホスト・マザーは「生まれて初めての海外旅行で、、、私の愛する娘の結婚式に来られたことを感謝します。」そう言って一緒に来てくれた自身の妹の顔をみたあと「ホスト・マザーとして多くの留学生を受け入れましたが、新婦はいつも優しく誠実でした。本当にかわいい私の、、、」そのあとはもう言葉になりません。
うれし泣きするホスト・マザーを新婦が「マム(お母さん)」と言いながらハグする様子があたたかくて、私はもらい泣き。私が初めて会った新婦はまだ幼児でした。天使のようにかわいくて天真爛漫に笑う様子がただ愛らしかったのです。その場にいた全員が新婦の昔を思いおこしていました。
こんな素敵な場面のあと、私は前回お伝えした通りピアチェンツァ(Piacenza)に行ってロマネスク教会(Sant’Eufemia)を見学して戻りました。
ピザ屋での夕食会に参加です。
店はカルピ(Carpi)にあるこちら。
Da Marcello
Via Lenin, 79, 41012 Carpi MO
店内は地元客を中心にほぼ満席。厨房では職人が忙しく働いていて
窯から熱々の美味しそうなピザが運ばれて行きます。
私たちは席につくと、わんこそばのように次々と運ばれてくる多様な種類のピザをほおばりながら、おしゃべり。
老若男女の大人数でそれぞれの食べたい量もまちまちなので「どのピザを何枚」と注文するのではなく、こちらが「もういりません」と言うまでおすすめのピザを焼いてくれるよう注文してあります。
美味しく楽しく過ごして宿に戻るとぐっすり熟睡しました。
結婚式当日、挙式は朝10時から。
教会の中は結婚式の飾りつけがほどこされていてクワイヤには聖歌隊が並びます。
参列者の席には小冊子が置かれていて、式次第として訓話や聖歌が書いてあります。参列者はこれを見ながら座って話を聞いたり立ち上がって唱和・斉唱したりして大切なときを共有します。
神父が聖書の言葉を引用しながら訓話して聖歌が響くの、独特の雰囲気ですよね。
新郎新婦の友人や家族・親戚のスピーチ。祝いの言葉が贈られます。
式の終わり頃に全員が立ち上がって隣人と握手するんです。私はなぜか昔から恥ずかしくて苦手なんですがこの日は大丈夫でした。結婚を祝福したい気持ちにつつまれていたからかも。
そのあと写真撮影。
最後に参列者が教会のファサード前に集まって新郎新婦が出てくるのを待ちます。
米をにぎりしめて。
新郎新婦が出て来ると、こどもたちの悪だくみの笑顔の理由が分かりました。ちからいっぱい投げつけて大笑いしています。いたずらっ子ですな。
ライスシャワーが一段落するとくちづけせよとはやしたて、新郎新婦が幸せそうに応えて挙式終了となりました。
続いて昼食会&披露宴です。
会場はミランドラ(Mirandola)のこちら。
Villa Fondo Tagliata
Via Tazio Nuvolari, 23, 41037 Mirandola MO
門を通った時刻は14時。ああ、お腹すいた。
会場はプールあり、前菜とデザートを提供する建物あり、第一皿と第二皿を提供する建物あり、と豪華です。
前菜の会場では、立食が用意されていました。郷土料理のニョッコフリット(gnocco fritto)、生ハム(Prosciutto di Parma)、サラミ、パニーニ、ポレンタ、、、ここにある料理だけで十分ごちそうなんですけど?
もう満腹になりそうな勢い。
15時頃に第一皿と第二皿の会場に移動しました。
テーブルセッティングも豪華。
メニューはこちら。
第一皿が二つに第二皿が二つ(え、そんなに?と思いますが現実です)。
そう、私が一番びっくりしたのは郷土愛あふれる超たっぷり料理でした。
ワインは二種類のランブルスコ(lambrusco)とピニョレット。すべてエミリア・ロマーニャ州の名物ワインで、ランブルスコは天然微発泡の赤ワイン、ピニョレットは白ワインです。赤のスパークリングって珍しいでしょ?肉料理の美食にぴったりなんです。
ザンポーネは肉の詰め物をした豚足を煮込む郷土料理。トロトロの豚足とジューシーな肉が極美味なんです。
あえて言うならトルテッリーニだけは新婦の母の手料理の方が美味しかったです(私だけでなく姉も姪っ子たちも同じ感想でした)が、それ以外はどの一皿も旨味たっぷりで文句のつけようがなかったです。
デザートは前菜を食べた会場に戻って数種類のケーキを欲しいだけ食べるってかたちでした。
建物を移動、、、
デザートの会場では、どれだけあるんだ?ってくらい数多くのケーキを食べました。
ちなみに、こちらの建物の天井裏には樽が並んでおり伝統的なモデナのバルサミコ酢、アチェート・バルサミコ・ディ・モデナ(Aceto Balsamico di Modena)が作られていました。
エミリア・ロマーニャ州の伝統食材については以前に少し書きましたので割愛。
地下にはたくさんの生ハム(Prosciutto di Parma)がぶら下がっていて芳香を放っています。
時刻はもう18時。私はこのあとピアチェンツァに移動して予約している宿にチェックインしないといけないので、宴席はまだまだ盛り上がっていますが(会場のあちこちでクイズ、ゲームにクリスマス飾りづくりなど大にぎわい)もう行かないと、、、
挨拶すると、新郎新婦から参列者への贈り物があるとのことで、100年もののバルサミコ酢をもらっちゃいました。
とろ〜り粘り気があって甘みと旨味が凝縮している貴重な逸品。小瓶からスプーンに注ぎ、パルミジャーノ・レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)を用意してかわりばんこに食べます。幸せな時間を思い出しながら。
美食の土地のあたたかな結婚式でした。
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こんにちわ!
イタリアでのホストシスターの結婚式参加と
ホストファミリーとの再会、素敵な経験されましたね。
私も以前イタリア人と結婚した
同僚の結婚式パーティーに呼ばれ
大人数、食べきれない程の料理、
延々と続くに賑やかな宴会にびっくりしました。
日本とは全然違う風景でした。
素敵な記事ありがとうございます。
そうなんです、賑やかな宴会が延々と。
食べきれない程の料理は献立も食材も味付けも素晴らしくて。
イタリア人の人生の楽しみ方は半端ないなと実感します。
コメントありがとうございます、励みになります。
どうぞ良いお年をお迎えください。