2019年9月の旅行九日目の最後の最後、急遽追加した七番目の目的地はPal。サン・ジュリア・デ・ロリア(Sant Julià de Lòria)から北に約21km、車で約29分の道のりです。
ここでの目的は、Sant Climent de Pal。
サンタ・コロマ(Santa Coloma)の Espai Columba で上映されたロマネスク教会の動画の中に、私が初めて知った教会がいくつかあったんです。行きたくて予想移動時間などを確認し、なんとか一つなら追加できそう!ということで、急遽追加しました。
車を停め、歩いて教会に向かいます。
整備された家並みが好印象。
教会は南側にポルティコがあり、それに続く階段がありました。
教会は土地の勾配にそって南が低く、北が高く建っています。
ドキドキしながら階段をのぼり、ポルティコの西口から中へ。
ポルティコの中には南扉口があり、当然ながら閉まっていました。
教会の東側を見ようと、ポルティコの東口から出てみると、
残念、期待したようなロマネスク様式の後陣はありませんでした。
北側の、鐘楼に近づいてみます。
北側からぐるっとまわると、教会の西側は、工事中でした。
教会の西窓から男性が一人、教会の中をのぞいています。
私も、のぞかせて欲しい。
お願いしてみよう。
北側の資材置き場にいた男性に「教会の写真を撮りたいので1分だけ入らせてください」と頼むと、最初は迷惑そうでしたが(そりゃ、そうだ)、すぐに「良いよ」と言って工事現場に入らせてくれました。
うれしい!
先ほど、男性がのぞいていた窓のガラスにスマホカメラを押しつけて撮った写真がこちら。
上半分は木が邪魔で見通せません。手前(西側)にロフト状のクワイヤがあるのかな。
ふと見ると、工事現場の中に、フロアプラン付き案内もありました。
案内によると、もとはロマネスク様式で建築された教会ですが、後代に増改築が行われました。中世から保存されているのは12世紀の聖母像、二つの木製の十字架、花崗岩からつくられた二つの盤(洗礼用と油用)です。また、ゴシック様式の壁画と、18世紀の祭壇画、さらに鉄製の門があります。
フロアプランを拡大。
鐘楼のロンバルディア帯から察するに、身廊の東にロンバルディア帯の後陣があったんじゃないかと思うのですが今は無く、南側と北側に増築されて、姿が変わっています。
でも、身廊と鐘楼はロマネスク様式の遺構。特に鐘楼が美しい。
こうなったら、遠くから眺めます。
工事の人にお礼を言って、この場を去りました。
少し離れた場所から教会を、特に鐘楼を、ながめます。
夕陽を浴びて輝く岩肌と緑のなか、静かにたたずむ教会。
Sant Climent de Pal。小さな教会は増改築が繰り返され、身廊と鐘楼にのみロマネスク様式が残ります。鐘楼がうつくしい。
さて、これでこの日の教会見学は全て終了です。
丸一日かけて、アンドラ公国内のロマネスク教会を巡りました。
九日目、9月12日(木) アンドラ公国
35. エンゴラステルス(Engolasters)
36. エル・ビラル(El Vilar)
37. エンカム(Encamp)
38-39. サンタ・コロマ(Santa Coloma)
40. サン・ジュリア・デ・ロリア(Sant Julià de Lòria)
急遽追加:パウ(Pal)
たくさんの素晴らしい教会があり、あちらもこちらも、英語で丁寧にガイドしてもらいました。
アンドラ、最高。
でもまだまだ、夏期のみ開くと言われてあきらめた壁画のオリジナルが教会の中に残る教会や、時間がなくてあきらめた素朴な石積みが魅力的な教会が、あります。
次にいつアンドラに来られるのか今はまったく分かりませんが、きっと、来ます。
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