2019年9月の旅行五日目、二番目の目的地はCollmorter。コルサ(Corçà)から北東に約43km、車で約60分の道のりです。
ここでの目的は Castell de Mur と Església de Santa María de Mur 。
日曜だけ訪問可能と聞いていたので、日曜に来られるよう旅程を調整したんです。
そして確認のため事前に役場のHPに記載されていたメールアドレスに9月8日(日)に訪問可能かを問い合わせると「11時半と13時にガイドツアーがあります。予約は必要ありません。城と教会の両方を訪問できます。」とのことでした。
さて、車を走らせていると、山の頂上に塔が見えてきました。
細い上り坂を「道を間違ってないよね?行き止まりにならないよね?」などとドキドキしながら進んで、なんとか到着。
ありがたいことに広い駐車場があります。
ガイドツアーの受付の場所がわからず、子連れの優しそうな女性にスペイン語で尋ねると「たぶん階段の上だと思いますよ」とのことでした。
階段の上に行くと、こんな建物が。
当たり。ここが受付。
大きい入り口から入り、左側の部屋で話している人たちに英語で話しかると「はい、ガイドツアーの受付はここですよ、ちょうど私たちも登録していたところです。」と、客らしい女性が英語で教えてくれました。
陽気な男性ガイドさんが受け付け。ガイドツアーは一人€5.25で、カタルーニャ語で行うそう。私の切ない表情を見て「じゃ、スペイン語なら分かるでしょ?」と。うーん、どっちにしても、三割くらいしか分からないかも。。。
実はね、このやり取りを聞いていたさっきの女性が、ツアーが始まると英語に通訳してくれたんです。助かりました!
ツアーは、まず城を見学して、次に教会を見学する順序。
ツアー客みんなで城に向かって進みます。
見えているのは城の東側。岩の上に建てられています。
この辺りの岩が切り出されて、石材として使用されました。
壁に囲まれた城の中へは、南側にある小さい入口から入ります。
振り返るとこんな感じ。
敵が大勢で来襲した時、簡単には侵入出来ないような造り。
壁の中に入ると、昔の城の様子が、わかり易く掲示してありました。
城の仮想復元図(Reconstrucció virtual del castell)
1.入口(Porta d’entrada)、
2.厩舎(Cavallerisses)、
3.土牢(Masmorres)、
4.兵士の部屋(Estança dels soldats)、
5.かまどと厨房(Forn i cuina)、
6.食品倉庫(Magatzem d’aliments)、
7.女性の寝室(Dormitori de les dones)、
8.納屋(Graner)、
9.なんて訳したらいいんだろ?(Magatzemide la resistència)、
10.貯水槽(Cisterna d’aigua)、
11.トイレ(Latrines)、
12.食堂と広間を備えた主室(Estança principal amb menjador i sala noble)、
13.寝室(Dormitoris)、
14.防衛室(Cos de guardia)、
15.武器室(Sala d’armes)、
16.忠誠室(Sala de l’homenatge)、
17.礼拝室(Capella)、
18.食品乾燥室(Assecador d’aliments)
その昔、ここで生活してたんですねえ。しみじみ。
現状を見ていきましょう。
入口からすぐ右を向くと、円柱形の塔。城の中で一番古い部分だそう。
塔の下の部分は10世紀頃に建築されたようで、 防衛目的の望楼として、イスラム教徒が造ったとも、カトリック教徒の農民共同体が造ったとも言われています。
その後、11世紀に軍階級が支配権を得ると、ロマネスク様式で、塔の上の部分や塔を取り囲む強固な壁を増築しました。これは騎士の Arnau Mir de Tost が行ったものだそう。
西側はこうなってます。
向かって左の壁に横一列に並ぶくぼみは、二階の床の跡。
正面のアーチの所が二階の一番えらい人の部屋。奥が寝室、手前が広間でした。
アーチの上が三階の武器室で扉口があります。
その上の窓は四階の食品乾燥室の風通し窓。
機能的~。
上にのぼります。壁の高さから同じ方を見ると、こう。
壁の上は通路になっていて、四方八方、すっごい眺望。
かつて、領主たちは婚姻によって領土の安定を図ったそうです。この辺みんな、仕切ってたらしい。
南壁の上から城の中を振り返ると、貯水槽と、その上の壁にトイレがあります。
陽気なガイドさんが「トイレに行きたい人いますか?どうぞ、こちらですよ」なんて言うから、見学客が大笑い。ここのは、使用に適しません。
しもネタは、さておき。
肝心なのは、上からの眺めの話。
塔の上から西を向くと
塔の上から東を向くと、わお
塔からの眺望は素晴らしく、望楼として、さぞ役に立ったと思います。
Castell de Mur。10世紀に遡る塔を取り囲んでいる壁の城は、11世紀のロマネスク建築です。見学では、1000年前に生活していた人々の生活を思いながら現地を歩きます。
この後、ガイドツアーは Església de Santa María de Mur へ。
次回に続きます。
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