2019年9月の旅行三日目、最初の目的地はSiurana。泊まっているCerveraから南西に約100km、車で約100分の道のりです。
ここでの目的はロマネスク教会(Església de Santa Maria)と昼食。
Siuranaは、プラド山地(Muntanyes de Prades)とモンサン山脈(Serra del Montsant)の間にあって、シウラナ川(Riu Siurana)を見下ろす高台に位置しています。
南北の渓谷を流れる川に挟まれて立つ様子は、まるで渓谷のあいだを進む客船のよう。
100kmの行程のうち、最後の7kmは、つづれ織りの山道。赤茶けた岩肌の絶壁と濃い緑の木々が独特の景観です。
ロッククライミングが好きな人にはとても魅力的な場所らしい。絶壁ぐあいと絶景ぐあいが良いうえにコースが整ってるんですって。
ヘタレな私は車で頂上に到着。駐車場に車を停めました。11時半頃のことです。
向こうのカフェでは景色を楽しんでる人が大勢。
まず、13時に昼食を予約していたレストランを目指します。トイレを借りたくて。
石造りの家並みと手入れされた植栽が魅力的。
目指す店は、すぐそこ。
おずおずと店にお邪魔して「13時にランチを予約している者ですが、コーヒーをいただきたくて、そして、あの、トイレを借りたいんです」とお願いすると笑顔で「どうぞ、どうぞ!」と広くて清潔なトイレを使わせてもらいました。
「これから教会に行くんですが、開いているでしょうか?」と尋ねると「多分、閉まっています。土曜17時の聖ミサの時にだけ開くんですよ。」と教えてくれました。覚悟の上で来ましたから、へこたれません。
さて、教会へ。店のすぐ裏にあります。
見えてきました。
北扉口の装飾が素晴らしいんですが、先に、人々が歩いている正面の道に行ってみます。
この先には記念碑があります。
この地はカタルーニャにおけるイスラム教徒の最後の砦でしたが、抵抗を続けた女王が馬と一緒に断崖から飛び降りると、1153年から1154年頃にキリスト教徒に制圧されました。
つまり、キリスト教徒が建てた記念碑です。
記念碑と教会を振り返ります。
キリスト教徒がこの地を制圧した後、13世紀まで、城は貴族を幽閉する場所として使われました。ナポリ王のカルロ2世(イタリア語でCarlo II d’Angiò)もシウラナ城に幽閉されたんだそう。
そんな歴史に思いを致しながら、ロマネスク教会に戻ります。
通常の聖堂は西にファサードがあって主扉口を構えますが、地形の都合か、こちらの教会は北扉口が主な扉口です。
そうそう、トイレの話ばかりで恐縮ですが、教会の近くに公衆トイレがありましたよ。
上の写真の向かって左にある木の側で左を見下ろすと、水場があるんですが、そこにトイレが。
話を教会に戻します。上の写真の場所で右を向くと、そこは、、、
北扉口。
開いている木製の扉まで行くと、向こうにガラス扉があり、残念ながら鍵がかかっていました。
仕方ないので、カメラをガラスにくっついて内部の様子を撮りました。
一身廊の素朴な造りです。
北扉口の装飾をじっくりみます。
柱頭の彫刻も、味わい深い。
別角度から
反対側も
別角度から
ティンパヌムが気になります。
中央に磔刑のイエス、両手の上に太陽と月があります。手足の細長さや顔立ちの表現が人をひきつけます。
東に行って後陣を見ます。
後陣には小さな窓。
後陣全体を見ます。
もう少し離れて教会を見ます。教会の南側は断崖なんですねえ。
左手にはシウラナ川(Riu Siurana)。
すごい、絶景。
これにてロマネスク教会の見学は終了。
Església de Santa Maria。渓谷の間を進む巨大客船のような岩山。その頂上にあって、絶景と北扉口の装飾が最高です。
ふと東を向くと
なぜだか物悲しい心持ちになる情景でした。
しばらく佇んで絶景を満喫してから、13時になったので昼食へ。
Restaurant Siurana
Carrer Major, s/n, 43362 Siurana, Tarragona
Tel. +34 977 82 10 27
店内は居心地の良い空間で、こちらでは地元の食材を使った料理を提供してくれます。
サービスは申し分なく、食事も美味しくいただきました。
Siuranaに行くなら、ぜひ、ロマネスク教会と地元のレストランをご堪能ください。
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