2019年GWの旅行十一日目、Milanoに移動し翌日の飛行機で帰国です。泊まっていたルッカ(Lucca)から電車で約3時間半。15時頃にミラノ中央駅に着きました。Milanoで、なんと、、、
Corsaさんと一緒にサンタンブロージョ聖堂(Basilica di Sant’Ambrogio)に行ったんです。長いことブログを拝読してて、ずーっと会いたい方でしたから、緊張しましたけど。とても素敵な方で、行きたかったロマネスク聖堂に二人で行けちゃうなんて、もう最高だったし、何よりお会いできてうれしかった。
サンタンブロージョ聖堂(Basilica di Sant’Ambrogio)へは、地下鉄で行きました。最寄り駅は地下鉄2番線サンタンブロージョ駅。そこから徒歩2分の近さです。
門前は工事中。
でもちゃんと営業してます。
平日は7:30から12:30と14:30から19:00
日曜祝日は7:30から13:00と15:00から20:00
入ります。
扉口を入ると、玄関ポーチ(ポルティコ)と玄関間(ナルテックス)があって、その向こうに鐘楼が二つ。
二つの鐘楼、向かって左は司祭(Canonici)のための鐘で、向かって右の鐘楼は修道士(Monaci)のための鐘なんだそう。
右の鐘楼が低いのは修道士は近くにいるからかな。信者は修道士より散らばって住んでるから、左の教会の鐘は、高い位置からより遠くに響くと効果的ですもんね。
ナルテックスとポルティコの装飾が、これまた素晴らしいんですが、先に聖堂内を見学します。
中に入ると、あちらこちらに貴重な作品があって、目が泳いでしまいます。
案内板によると、殉教者が埋葬されていたこの場所に聖アンブロシウス(イタリア名:サンタンブロージョ)が聖堂を築いたのは4世紀のことでした。彼の死後、遺体が保管され、聖堂の名前はサンタンブロージョと改められます。レンガと石による交差部の無い三つの後陣、三身廊、四列柱の玄関ポーチ(クワドリポルティコ)の構造は11世紀後半に遡ります。ファサードの両側には二つの鐘楼があり、修道士の鐘楼は8世紀、司祭の鐘楼は12世紀に遡ります。
案内板にあったフロアプランです。
1 四列柱の玄関ポーチ(クワドリポルティコ)
2 玄関間(ナルテックス)
3 司祭の鐘楼
4 修道士の鐘楼
5 身廊
6 金の祭壇と天蓋(チボリウム)
聖堂内の博物館は有料(確かひとり€2だったような)ですが、こちらも必見です。
どうしようもなく気になったものを厳選してご紹介。何しろ、貴重な品が目白押しなので。
これなんて、あ、カラフルでかわいいと思って近寄ったんですが、、、
説明によると、もとの聖堂の後陣部分を飾っていたモザイク(4世紀)だそう。わお。
上の写真にも写ってますが、身廊に説教壇(12世紀)があるんです。これも味わい深い。
さらに、祭壇がすごい。
残念ながら、あんまり近づけないんですが、豪華に輝いてきんきらきん。
カロリング期の金箔美術の素晴らしさを堪能できる逸品。一度よ~く、見てみたい。
祭壇の上の天蓋の装飾も良いです。ものを知らない私は「木製ですか?」などと質問するしまつ。Corsaさんに教えてもらいました。スタッコだそうです。化粧しっくい。
もともとは礼拝堂だった場所に貴重なモザイクがあるんですが、、、
残念ながら修理中でした。
男前の聖アンブロシウス。足場に隠れているところを、チラリ。
さて、聖堂内の見学を終え、ナルテックスとポルティコに移動します。
オリジナルのロマネスク美術が多く残っているこの場所。彫刻はひとつひとつが何とも言えない風情があって、夢中で見入ってしまいます。
向かって左の柱頭、よく見ると楽器を演奏する男性の横で女性が踊ってます。
聖堂内で柱頭について書いてある小冊子を買いました。
それによると男性はダビデ王なんだそう。
ダビデは旧約聖書に登場する、血色の良い姿の美しい少年。後にイスラエルの王になるんですよね。ダビデが竪琴を奏でると悪霊が離れるんです(『サムエル記上』16章) 。
他にも見逃せない柱頭がたくさん。
古典的な模様も美しい。
植物模様も、大変こまかいです。
上の写真で動物に囲まれているのは先出の小冊子によるとオルフェウスなんだそう。オルフェウスってギリシャ神話に登場する天才的楽人ですよね、彼が竪琴を弾くと、野獣や草木までもが魅了されたっていう。。。個人的にはオルフェウスじゃなくて良き羊飼いかなって気もしますが、、、
動物たちが楽しそうにしていて、とても魅力的な彫刻です。
ポルティコの柱にも柱頭彫刻。
ひとつひとつが傑作です。
サンタンブロージョ聖堂(Basilica di Sant’Ambrogio)。4世紀に遡るミラノ最古の聖堂は祭壇、天蓋、礼拝堂のモザイクや柱頭など、必見の美術品の宝庫です。
こうして2019年ゴールデンウイークのロマネスク訪問は、ミラノで終了。
ロマネスクが素晴らしい人との縁をつないでくれました。
〜2023年9月7日に再訪しました〜 🆙
私は2023年夏の旅でサンタンブロージョ聖堂(Basilica di Sant’Ambrogio)に再訪しました。
2019年に行われていた工事は順調に終わったようで、広場はきれいになっていました。
私が一番に見たかったのは、サン・ヴィットーレ・イン・チエル・ドーロ礼拝堂(Sacello di San Vittore in Ciel d’Oro)。例のきんきらきんの祭壇の右奥にあり、入場料が必要です。
天井のモザイクに、わお。
案内掲示によると、このモザイクは5世紀に遡るもの。金色のテッセラで覆われたドームの頂上には、サン・ヴィットーレの胸像があり、その頭には殉教者にふさわしい宝石の冠が乗っています。壁には、司教と殉教者が描かれていて、その中に写実的に描かれた司教アンブロシウスがいます。
アンブロシウスが存命中に描かれた、彼を描いた最古の像の可能性があります。
ハンサムで、とても生き生きと描かれています。
サンタンブロージョ聖堂(Basilica di Sant’Ambrogio)、何度も行きたくなる場所です。
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