サンタ・マリア・フォリスポルタム教会(Chiesa di Santa Maria Forisportam)の見学を終え、サン・マルティーノ大聖堂(Cattedrale di San Martino)に向かいます。南西に350メートル、徒歩4分の道のりです。
いよいよ、大御所登場
ドゥオーモ・ディ・ルッカ(Duomo di Lucca)、町一番の大聖堂です。
東から近づいた私は、まず後陣に遭遇しました。
すごい。
さすが、ドゥオーモ。大迫力。
ファサード側に行きます。
ファサードの上部は13世紀、下部の柱やアーチの装飾は12世紀。
私が訪問した2019年5月3日は11:30から17:30まで開いてて、入場料は一人€3。チケットを買うとリーフレットをもらえます。
リーフレットによると、オリジナルの建物は6世紀の建設という伝承があります。8世紀に聖遺物を受け入れるにあたって建て直され、その頃、最初の大聖堂だったサンティ・ジョヴァンニ・エ・レパラータ教会(Chiesa dei Santi Giovanni e Reparata)から司教座が移されました。その後、拡張工事が行われて1070年に献堂。14世紀から15世紀にかけても改築が続きました。
リーフレットにフロアプランがありました。
ファサードには、一番大きい扉口の両側に、聖マルティヌスの生涯と月暦の浮彫があります。
西暦330年ごろ、ローマ軍の仕官だったマルティヌスは、ガリアのアミアンに派遣されていました。とても寒い晩、半裸で震えている物乞いを見て、気の毒に思ったマルティヌスは自分のマントを半分に切り裂き、物乞いにかけてやりました。イエスの言葉「わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである。」(『マタイによる福音書』25章40節)を実行したんです。やがてキリスト教徒になったマルティヌスは除隊。その後、ガリア地方初の修道院をリグージェに設立し、トゥールの司教になりました。田舎に福音を伝道し、小教区を設立するなど、ガリア地方の布教者として初期キリスト教時代の信仰に決定的な影響を与えました。
ファサードの一番大きい扉口が、こちら。ルネットには荘厳のイエスと天使、まぐさには聖母マリアと使徒達。
中に入ります。
北側廊にある、八角形の金色礼拝堂(15世紀)。近づいて見ました。
木製の十字架(ヴォルト・サント)はルッカの象徴で、中世の時代から崇敬の対象だったそう。熱心に祈りを捧げる人々に圧倒され、中に入るのはあきらめました。
他の場所に目をやると、床の装飾が印象的。
祭壇の上の十字架は12世紀のもの。
ファサードから入ってすぐの場所にある騎馬像(13世紀)は聖マルティヌスと物乞い。こちらがオリジナルで、屋外にあるのはコピーだそう。
屋外といえば、迷路があるんですよね。鐘楼の近くの柱に埋め込まれて、さりげなく。
サン・マルティーノ大聖堂(Cattedrale di San Martino)、ルッカを代表する荘厳な大聖堂です。
さて、これで2019年ゴールデンウイークのトスカーナのロマネスク訪問は終了。
合計48か所を駆け巡った10日間。
素敵な人たちとの出会いがあり、豊かなロマネスク美術や素朴なロマネスク建築に心躍らせる日々でした。思い出すと、今も胸があつくなります。
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