2019年GWの旅行九日目の最後、六番目の目的地はFilattiera。カッラーラ(Carrara) から北に約55km、車で約46分の道のりです。
Filattiera での目的はソラーノのサント・ステファノ教会(Pieve di Santo Stefano di Sorano)。
教会の前に車を停められます。
整備された舗装道路のすぐ脇に、ずんぐりと素朴なロマネスク教会がたたずむ様子が、なんだか不思議。
上の写真にも表示がありますが、ここはヴィア・フランヂジェーナ(Via Francigena)の一筋で、古くから、巡礼者を含む多くの人や動物が行き来していた場所です。
停めた車の近くに案内板が並んでいました。
案内板によると、 ロマネスク様式のソラーノのサント・ステファノ教会の教会は、フィラッティエラの平野の中にあり、昔のヴィア・フランヂジェーナの道沿いに位置しています。教会は、建物の下や内部から石碑が発見されたことが示すように、恐らく古代の異教神殿の跡地に建てられましたが、その建築年について明確な記録がありません。最初の文書記録は、1148年です。
中世において教会は宗教の中心地であり、その重要性は、地中海地域とポー川流域を結ぶ主要な道路上の戦略的地位に基づくものでした。しかし中世後期にはフィラティエラの丘の上に小集落が設立され、教会は放棄されました。教会は、三つの身廊と三つの玉石の後陣で、12世紀の元の構造を保持しています。鐘楼の形は、本来は防衛目的であったことを示唆しています。2000年に大規模な修復が完了し、レイアウトが戻されて中世のフレスコ画が復活しました。教会で見つかった石碑のオリジナルの彫像のうちの二つが保存されています。
その石碑については、別の案内板がありました。
紀元前に遡る古代の石碑を、石棺や教会建物に再利用してたんですねえ。
何はともあれ、教会をみます。
人が出入りしている様子から、中に入れそうだ、と安心して、まずは後陣を見学。
後陣を見てびっくり。
しばらく興奮して、、、石を眺めては歓声をあげ、惚れ惚れしてためいきをつき、ふと我にかえって写真を撮り、といったことを繰り返しました。
そろそろ、教会の中を見学しないと。
教会の外に掲示板があり、そこには教会の開く時間について、
9:00から12:00と15:00から19:00
と書いてありました。
観光目的での訪問については寄付を受け入れているとも書いてあります。
さらに、聖ミサは10月から4月の日曜祝日は17時、5月から9月の日曜祝日は18時とのこと。
中に入ります。
北側廊のファサード側の暗がりに、石碑が二つと案内掲示がありました。
案内掲示にフロアプランがありました。
古代の石碑は石材として再利用されてたのを再発見したんだそうです。
近々予定されているコンサートのために南側廊で打ち合わせをしていました。反響を確認するように歌う男性と女性の声が、教会内に美しく響きわたるんです。もう、聞きほれる。
お二人の声楽家としての力量もさることながら、ちょうど良い大きさの石造りの教会のサラウンドが心地良い振動を加えてるみたいで、本当に清々しい空気に包まれました。
良い時に来たな、私。
柱頭に簡素な彫刻。
変わった浮き彫りがあります。
何だかは、よくわかりませんが、妙に印象的で力強い。
教会の見学を終えて外に出ると、先ほどのコンサートの打ち合わせに加わっていた女性がいて「教会の裏もご覧になりましたか?」と。どうやら、この教会の管理をしている人のようです。
「はい、見ました!とても美しい後陣で驚きました。」
私が答えると女性は笑顔で会釈。そして教会の扉に鍵をかけて教会をあとにしました。この時、時刻はまだ18時半を少し過ぎた頃。
あれ?
掲示板には教会の開く時間について9:00から12:00と15:00から19:00と書いてありましたが、今日は早じまいらしい。ロマネスク教会の、あるあるですかね。開いてるはずの時間でも、閉まってるの。
何はともあれ、見学できた上に素晴らしい歌声まできけて大満足でした。
ソラーノのサント・ステファノ教会(Pieve di Santo Stefano di Sorano)、後陣の玉石の石積みの美しさが秀逸です。内部の彫刻もぜひ。
これにて、この日の訪問は終了です。
5月2日(木)に訪問したのは六箇所。
36. カルチ(Calci)
37. カシナ(Cascina)
38. ヴィコピサーノ(Vicopisano)
39. サン・ピエロ・ア・グラード(San Piero A Grado)
40. カッラーラ(Carrara)
41. フィラッティエラ(Filattiera)
この日も素晴らしいロマネスク探訪でした。
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