2019年GWの旅行九日目、最初の目的地はCalci。泊まっているルッカ(Lucca)から南に約21km、車で約27分の道のりです。
5月2日(木)に訪問したのは六箇所。
36. カルチ(Calci)
37. カシナ(Cascina)
38. ヴィコピサーノ(Vicopisano)
39. サン・ピエロ・ア・グラード(San Piero A Grado)
40. カッラーラ(Carrara)
41. フィラッティエラ(Filattiera)
40.カッラーラ(Carrara)はリグーリア州との州境に近い場所、41.フィラッティエラ(Filattiera)はエミリア・ロマーニャ州との州境に近い場所。
この日はトスカーナ州の北西の端っこの方を訪ねます。
最初の目的地カルチ(Calci)での目的は、サンティ・ジョヴァンニ・エド・エルモラオ教会(Pieve dei Santi Giovanni ed Ermolao)。
教会の名前になっている聖ヘルモラウス(イタリア語でSant’Ermolao)。初めて聞く名前だったので調べたら、3世紀頃の殉教聖人でした。Calciの町の守護聖人だそうです。
事前にコムーネ(自治体役場)に問い合わせたら「5月2日は平日なので開いています。詳しくは教区司祭にきいてみてください。」とのことで電話番号をもらいました。
もらった番号に電話すると「5月2日は朝8時に開けますよ」とのこと。
こりゃ、ありがたい。朝9時とか10時とかに開く教会も多い中で、朝8時は早いですからね。その後の訪問に余裕ができます。
カルチ(Calci)を最初の目的地にしよう!ってことで、この日の訪問の順番を変えたんです。
ピサ山のふもと、グラツィオーザ渓谷にあるカルチ(Calci)は、古代ローマの石灰(calce)の採石場にちなんで名付けられたそうです。
8時過ぎに到着し、教会の西にある駐車場に車を停めました。ちょうど幼稚園の登園時間らしくて、あちこちの車から子供達が手を引かれて行ってました。ドアを開けるとき隣の車に先を譲ると、女性は会釈しながら車を降りてニコニコ笑顔の女の子と二人でこちらを向き、一緒に手を振ってから連れて行きました。
穏やかな村の朝。
教会のファサードです。
案内板がありました。
案内板によると、教会は11世紀末から12世紀にかけて建設されました。ファサードは二層の盲アーチ。内部はバシリカ・プランの三身廊で、身廊と側廊の間の柱には再利用された柱頭が使われています。
教会の中を見ます。
天井やアーチがすっかり新しい印象で、少し残念な気持ちにもなるんですが。
再利用された柱頭が、昔の姿を伝えてくれます。
教会に入ってすぐ目に付くのが、北側廊のファサード近くに置かれている洗礼盤。
けっこうな大きさです。
浮き彫りを正面から見ます。
興味深いのはイエスの足元の小人。擬人化されたヨルダン川だと思います。
外に出て、もう一度ファサードを見ます。
よくみるとバランスが悪いファサード。大きい洗礼盤のために、こちら側を長くしたのかも。私の勝手な想像ですが。
ファサードと北壁。
後陣を見ます。
配置は、こんな感じ。
装飾①を拡大。
植物が優しいタッチで描かれています。
後陣の鐘楼側を少し離れて撮影します。
円柱形の後陣の四角い窓の下に、浮き彫り(装飾②)が埋め込まれています。
動物も植物も生き生きしてて、幾何学模様でさえ勢いを感じます。
さらに、鐘楼に近い壁に開口部を埋められた窓があります。
簡素な装飾が良い。
ハート型の顔の獅子と花ばな。なんとも愛らしい。
サンティ・ジョヴァンニ・エド・エルモラオ教会(Pieve dei Santi Giovanni ed Ermolao)、後陣の装飾、必見です。
・
・
・
・
・