ストラーダ(Strada)

2019年GWの旅行四日目、二番目の目的地はStrada。ピエヴェ・ア・ソーカナ(Pieve A Socana)から北に約19km、車で約20分の道のりです。

ここでの目的はヴァードのサン・マルティーノ教会(Pieve di San Martino a Vado)。

教会の近くに車を停めました。ロマネスク教会の南には緑豊かな山。

南西の山の中腹に城が見えます。

最初の文書記録は11世紀に遡るというサン・ニッコロ城(Castello di San Niccolò)。15世紀には抵抗を続けた住民全員がその壁に絞首刑にされたという残酷な歴史を持つ城です。今も城と教会との間にはソラノ川が流れていますが、聞こえるのは鳥のさえずりばかり。

教会の北壁。
後陣

façadeに戻ります。

façade

教会の中へ。

中がめっちゃ魅力的です、この教会。

この日の午後おこなわれる結婚式の準備中でした
南側廊
北側廊
愛を誓い合う二人のための準備がちゃくちゃくと進みます
後陣を背にしてfaçadeを向く
西扉口を入ってすぐのところに、紐でくくりつけた本が置いてありました。

本を開いてみますと、アルマンド・ケリチ(Armando Cherici)教授がコメントを書き、教区司祭のロベルト・ブレシアーニ(Roberto Bresciani)神父が本文を書いた2012年の本で、教会内の14の柱頭ひとつひとつの面について写真つきで詳述してあります。ここの柱頭、愛さずにいられない魅力がありますもんねえ。

この本、欲しい。

机に教区司祭のところで買えると書いてあります。きっと教会の右の建物だろうと考えた私。教会を出て右隣の建物を見ると、老婦人が話しています。話している相手は、どうやらドン・ロベルト。私は二人の話が終わるのを待ちました。でも、老婦人との話が終わるか終わらないかで、ドン・ロベルトが建物の中に戻っちゃった。うっそーん!

老婦人が「どうなさいました?」ときいてくれました。望遠レンズ付きのカメラを首からぶら下げてる私の姿を見て、結婚式の撮影スタッフだと思ったらしい。「私、結婚式とは関係ないんです。ロマネスクの柱頭を見に来た者で、教会の本を買わせていただきたいんです。教区司祭のところで買える、と、教会の中に書いてあったものですから」と言うと、親切な老婦人は力一杯にドン・ロベルトを何度も呼んでくださいました。ありがたい。

かくして、本を手に入れました。

€18。ちと値が張りましたがね、いいでしょ。ありがとうございます!と老婦人と神父にお礼を言うと「こちらこそ、ありがとうございます」とのこと。

ドン・ロベルトは、結婚式準備の人に頼まれて水を汲み教会に運ぶところでした。とっても真面目そうで、やさしそうな神父です。

さて、その愛すべき柱頭です。

ドン・ロベルトの本によるフロアプラン

まず、全14の柱頭を二枚の写真でご紹介。

柱頭1〜7
柱頭8〜14

次に、いくつかをアップでご紹介。

北側の1~7の柱頭です。

向かって左から、柱頭3、2、1。植物とぐるぐる模様が落ち着いた魅力をかもしだしています。
向かって左から、柱頭6、5、4、3、2、1
向かって左から柱頭7、6(西面)

柱頭6には、実に多様な彫刻があります。

柱頭6の北面
柱頭6の東面と北面
柱頭6の南面。この目、この尻尾、たまりません。

南側の8~14の柱頭です。

向かって左から、柱頭11、12、13、14
柱頭11の北面と西面
柱頭11の南面と東面。
向かって左から柱頭8、9、10。

ウルトラの母みたいな動物が気になります。羊らしいんですけど、どうにもこうにも、かわいいとしか言いようがない。

首をかしげる大きい瞳。

ヴァードのサン・マルティーノ教会(Pieve di San Martino a Vado)、魅力的な柱頭彫刻が楽しめます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です