2018年9月の旅行四日目、二番目の目的地はSaint-Pierre-le-Moûtier。トルネ(Tresnay)から北に約13km、車でわずか15分の道のりです。
ここでの目的はサン=ピエール教会(Eglise Saint-Pierre)。
12世紀~13世紀の北扉口のティンパヌム彫刻、身廊の柱頭彫刻が良いとのことで、旅程に組み入れました。
多くの建物が並んでいる道を進むと、広場にでました。教会がどーん、とあります。
上の写真は教会を南西から撮ったもの。さっきまで Tresnay 村の丸っこい小さな教会をみていたせいか、こちらの教会は角ばってて立派な印象。素朴系を愛好する私にはハードルが高く見えて、ひるみます。
教会を南東から撮るとこう。写真の右下隅っこにトイレが写っています。
トイレは教会建物から道を挟んで向こう側です。
近づいてパシャリ。よく考えたら、中の様子を確認していません。。。もし間違っていたらごめんなさい。
トイレの前(教会の北東)から教会を振り返って撮った写真です。北扉口が写っています。
北扉口に近づいてパシャリ。
12世紀~13世紀のロマネスク彫刻なんですが、一見したところ、真っ黒くろすけ。
教会内で見つけた案内掲示によると、これは回廊への扉口だったとのこと。ところが、回廊は19世紀に取り壊されたんだそうです。ティンパヌム中央には荘厳のキリストがいて、四福音書記者がそれを囲み、さらに天使がそれを囲んでいます。多彩装飾の痕跡があるそうで、言われてみれば、福音書記者のシンボルの所に赤い色が残っています。
ファサード(façade)から教会の中に入りました。側廊との間にある柱は、その数もアーチの形状も、北側(写真左)と南側(写真右)とで違っています。南側の柱頭彫刻が良さそうねえ、なんて思って眺めていると、あらあら、天井に近い位置にも良さそうな彫刻があります。
教会の案内掲示を探すと、ありました。
フロアプランを拡大します。
上が東、下が西です。赤い所が12世紀、黒い所が12~13世紀、斜線の所が13世紀で横線の所が15世紀、白い所はそれ以降。
上の案内の他に、こんなコピーも掲示してありました。
続き。
両方とも、か~な~り、昔に掲示した感じですよね、紙のよれ具合や字のかすれ具合からみて。読みづらいですが、案内があるのはすっごくありがたい。
ここはオータン(Autun)のサン=マルタン修道院に付属するベネディクト会の小修道院として740年に創設されたそうです。最初の教会の跡地に12世紀~13世紀にかけて建設されたロマネスク教会は改築が繰り返されましたが、扉口、身廊、交差部や内陣にロマネスク様式が残っています。
内陣の下には埋められた地下聖堂(crypt)があるそうで、最初の教会が建設された8世紀当時の遺構があるかもです。
中の様子の写真として、西から東を向いて撮った南側廊。
西から東を向いて撮った北側廊。
東の、祭壇の方から西を向いて撮った写真。
ロマネスクのお楽しみとしては、20個以上もある柱頭彫刻です。
角度を変えて
題材は、、、老人?不和と協調?私には、よく分かりません。
ハープを弾く人。同じ柱頭を角度を変えて。
熊と人。熊の脚がかわいい。
さらに別の角度から。
アダムとエバかな、と思います。
カーリーヘアの怪物。
葉っぱを吐く怪物。
上の写真の右上にいるの、ウサギですよね?かわいい。
鷲。
葉っぱ。
獅子の穴の中のダニエル、のはずなんだが。
別の角度から。
聖書(旧約聖書、『ダニエル書』6章)によると、
24節
王はたいそう喜んで、ダニエルを洞窟から引き出すように命じた。ダニエルは引き出されたが、その身に何の害も受けていなかった。神を信頼していたからである。
25節
王は命令を下して、ダニエルを陥れようとした者たちを引き出させ、妻子もろとも獅子の洞窟に投げ込ませた。穴の底にも達しないうちに、獅子は彼らに飛びかかり、骨までもかみ砕いた。
この、仔猫みたいな顔の獅子たちが、骨までかみ砕いちゃうの?ほんっとに?と思わずにいられない。
最後に、天井に近い場所にある柱頭です。
怪物と戦う人。
王と人。
フクロウ。かなり写実的。
グリフォン。かなりタレ目。
Saint-Pierre-le-Moûtier の Eglise Saint-Pierre、角ばって立派そうな外見に似合わず、中には、かわいらしいロマネスク彫刻がありました。
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