サン・ジェニ・デ・フォンテーヌ修道院、続きです。13世紀に造られた後期ロマネスク様式の回廊(cloister)を見ます。
cloister という言葉は「閉鎖された場所」を意味するラテン語の claustrum に由来していて、世俗との関わりを絶つ修道士の生活を反映しています。
地域内の、三つの場所から来た三色の大理石が使われています。
セレ(Céret)の白大理石
ヴィルフランシュ・ド・コンフラン(Villefranche-de-Conflent)のピンク大理石
コルビエール(Corbiere)の黒大理石
三色の大理石、きれいです。
その大理石には、ロマネスクに特徴的な多種多様の図像が描かれています。
定番のマーメイド(mermaid)。悪(evil)に打ち勝つよう、修道士に念押しする意味があったんだそうです。
神の子羊だと思いますが、少し緊張感に欠けてて、むしろかわいい。
たらこくちびる。
『創世記』?
同じ柱頭を別の角度から撮りました。胸と髪が、楽しすぎます。
こっちにも、楽しいのがいました。
ぎざぎざの歯
動物達、実に、かわいらしいです。
フクロウとネズミとカメ、と案内シートには書いてありました。ネズミなんだそうです、この尾を噛んでるやつ。おまけにカメ、まるまると太ってます。
もみ手?
怪鳥?
かわいらしくて、親近感を持ってしまいます。
隅にドリウム(dolium)が置いてありました。
dolium は古代ローマ人が穀物、油、ワインを入れるのに使った壷ですが、中世はもちろん、近代まで使われていたんだそうで。写真のやつは容量600リットルで、cloister の入口に埋まっていたのを1960年代に発見したそうです。
ご紹介していない中にも、素晴らしい柱頭彫刻が沢山あります。面白いcloister、ぐるぐる何度もまわって眺めたり、写真を撮ったりして、楽しみました。
ファサード(façade)については、次回。
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