セラボヌ小修道院、続きです。順路に従って南側の翼廊(transept)を通り、身廊(nave)に行きました。
後陣(apse)を背にして西側を向くと、こうです。
正面に見えているのが、12世紀前半に造られたギャラリー(gallery)。
見た途端、つい、つぶやきました。なんじゃこりゃ!
こうしたものが聖堂内にある場合、聖職者と信者の場所を分ける目的で造られる場合が多くて、この小修道院も修道士と信者の場所を分けていたようですが。
そんなことより、ピンク大理石が美しい。
そして奇妙奇天烈な彫刻が面白くて、目が離せない。
他に誰も居ないのをいいことに、写真を撮りまくりました。
口を「う」にしている人たち。
口がナナメな人たち。理由は、わかりません。
ギャラリーを通り抜け、西側に行きました。ギャラリーごしに後陣を見ると、こうなります。ギャラリーの西側、浮き彫りだらけ。どうやら、天使と福音書記者のシンボルです。
向かって左端が天使。
天使から、アーチを挟んでマルコ(獅子)とヨハネ(鷲)。
向かって右端にルカ(雄牛)。
ルカ(雄牛)から、アーチを挟んで、マタイ(翼の人)。
ってことは、マタイ(翼の人)の隣は、イエスのシンボル(神の子羊)?
中央に配置されてるし、十字架付き旗竿を持っていますもんね、イエスです。
柱頭彫刻も西面の浮き彫りも、すごく高い技術で仕上げられています。
豊かな表現力と大胆な構図で、魅力が尽きません。しばらく離れられませんでした。
でも、そろそろ帰らなきゃいけないってことで、締めに入りました。
ギャラリーと後陣の間の南側の壁に12世紀のフレスコ画が少し残っています。
「十字架降架」(Descent from the Cross)で、残っているこの部分はイエスの体なんだそうです。よく見えませんが。
昔は、この教会のほぼ全ての壁面がフレスコ画で装飾されていたそうです。きっとカラフルだったことでしょう。こーんな山の中に、フレスコ画と彫刻の傑作が溢れていたなんて、すごい。
さて、と受付に戻り、借りていた案内シートを返しました。女性三人組は相変わらず楽しそうにおしゃべりしていて、奥に男性が一人いるのが見えました。
最後に、北側の扉口(portal)をみました。
灰色の円形アーチとピンク大理石の柱がきれいです。
柱頭彫刻がありますが、これはオリジナルが2000年に盗難にあい、その後で置き換えられたコピーです。
向かって右。
向かって左。
欲しくなったのか、高く売れると思ったのか。。。
でも、盗んじゃ、いけません。
よく見ると、ミモザの花が置いてありました。
誰が置いたんでしょうね。
ほんの小さい花ですが、モコモコした黄色い可憐な様子をみて、温かい気持ちになりました。
コンフラン(Conflent)のピンク大理石とロマネスク彫刻が素晴らしいセラボヌ(Serrabone)。ミモザに見送られて、終わります。
旅行五日目。こうして、ようやっと、予定していた五箇所を訪ね終えました。
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訪ねた当時のことを思い出しながら、懐かしくそして楽しく見ています。ルシヨンは、やはりもう一度、行かないといかんなぁ、と思いますねぇ。つくづく、フランスでは、異質の土地ですね。
ルシヨン魅力的ですよね!3月は閉まっていた聖堂が複数あったし、日程の都合であきらめた場所がたくさんありましたから、私もルシヨンはもう一度ゆっくり(←これが難しいんだが)回りたいです。イタリアも行きたいしフランスもスペインも見逃せない所が多くて、少し先になるかも知れませんが、きっと、再訪します。