リュー・ミネルヴォワ(Rieux-Minervois)の七角形の聖マリア教会(Eglise Heptagonale Sainte Marie)、続きです。
もともとのロマネスク建築の構造は12世紀にさかのぼるそうです。
すごく独創的な円形プランです。14の支柱が囲む円形は直径が約18メートル。ひとまわり内側には円を描く様に配置された七つの支柱(角柱四つと円柱三つ)があります。この七つの支柱で囲まれた部分が祭壇のある場所(sanctuary)で、直径約9メートル。そして、七つの支柱が支えているのが、印象的な七角形のクーポラです。
七角形のクーポラ。見上げると、こうです。
数字の「7」にこだわった理由は、知恵(wisdom)について書かれた『箴言』9章1節「知恵は家を建て、七本の柱を刻んで立てた。」を思い起こさせるため、なんだそうです。
ご参考までに、平面図はこんな感じです。リーフレットにあった図と現状を参考にして、私が描きました。間違ってたらごめんなさい。
数字は彫刻の場所です。
1、垂れ目のライオン
2、聖母と6人の天使
3、笛吹き3人組
私が描いた図で、祭壇の東側にある白色の二つの部分は木製の戸が閉められていて、公開されていません。祭壇のある場所(sanctuary)に立って、東側を見ると、こうなっています。
私が描いた図で、青色部分は15世紀の増築です。そして緑色部分は、さらに近代の増築です。
つまり、いま公開されてる祭室(chapel)のほとんど全部、15世紀以降に付け加えられたものなんです。リーフレットを読んでびっくり。
さらに、桃色部分。今はオルガンが置かれているchapel が、オリジナルの建築ではPorch(屋根付き玄関)だったそうで。これまたびっくり。
祭壇のある場所(sanctuary)に立って、西側のオルガン部屋を見ると、こうなっています。
そう言われて見てみると、オルガン部屋の柱頭彫刻は、もともとの入り口の、西側からみる方が印象的なんです。
3、笛吹き3人組を、西側から見上げるとこんな感じです。
この写真をインスタグラムで見た人が「地球外生命体のイメージですか?」とコメントしてくれました。確かに、一番右端のやつとか、エイリアンぽい。現代の解釈では「たてがみがあるのでライオンのイメージ」と言われていますが、彫った石工が語った言葉は残っていません。誰も本当の意味は知らないんです。
この写真の左奥に、クーポラを支えている七つの支柱の一つが見えて、柱頭彫刻が見えます。これを拡大すると、
4、男とライオン。
ライオンに挟まれているこの構図は、この後、別の場所でも見かけました。ルシヨン(Roussillon)の特徴的な構図だそうです。
オリジナル部分だとわかって、オルガン部屋の内部を注意深く見ました。
5、古い柱頭彫刻。
時間の経過で溶けたようになって、原形が崩れています。それでも力強い印象を与えるのは、腕のある石工だったんだと思います。
さらに、オルガン部屋の隅に、何かありました。
6、天使(?)
リュー・ミネルヴォワ(Rieux-Minervois)、さらに続きます。
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