ピエヴェ・ア・ソーカナ(Pieve A Socana)

2019年GWの旅行四日目、最初の目的地はPieve A Socana。泊まっているアレッツォ(Arezzo)から北に約25km、車で約30分の道のりです。

4月27日(土) に訪れたのは6箇所。
6. ピエヴェ・ア・ソーカナ(Pieve A Socana)
7. ストラーダ(Strada)
8. モンテミニャーイオ(Montemignaio)
9. ロメーナ(Romena)
10. スティア(Stia)
11. ポッピ(Poppi)
12. アレッツォ(Arezzo)← 疲れてロマネスク見学は断念。

グーグルマップを編集して訪問番号を加えました。

アルノ川は、フォレステ・カゼンティネジ国立公園のファルテローナ山(Monte Falterona)に源を発して南に流れ、アレッツォ近くで北西に流れを変え、フィレンツェで西に流れを変えてピサの西でティレニア海に注ぎます。

つまり、6〜11もアルノ川沿いの渓谷ですが、一般的にこの辺りはヴァルダルノ(Valdarno)ではなく、カゼンティーノ(Casentino)と呼びます。

Casentino は珠玉のロマネスク聖堂が数多く点在する宝石箱のような場所で、私は、ここに来たくて今回の旅行を計画したんです。本来なら何日でもかけてじっくり巡るべきなのですが、シエナの北に日曜だけしか開かない教会があり、シエナの西に月曜(と金曜)の午前中しか開かない修道院があり、、、

悩んだ末に、この宝石箱をたった一日で見て回るという無茶な計画を立ててしまいました。

しまいに自分を恨みましたよ、あたしゃ。

さて、4月27日(土)の最初の目的地、ピエヴェ・ア・ソーカナ(Pieve A Socana)の話を始めます。ここの目的はサンタントニオ教会(Chiesa di Sant’Antonino)。

事前にコムーネ(基礎自治体)に連絡して4月27日に教会を訪問するには鍵が必要か、開いているなら何時から何時までかを聞いてみると、丁寧な返信がありました(以下、私による抜粋和訳)。

私たちは教区司祭に教会を訪問する方法を尋ねました。
教区司祭は、彼が鍵を開けるので教会の右隣の建物の呼び鈴を鳴らすよう言っています。教区司祭がいない場合、教会を開く鍵は、教会前のピザ屋アステリックスまたは、教会広場の食料品店に依頼できます。
ご訪問の際には貴重な教会に加えて、教会の裏側の、エトルリアの祭壇がある記念碑的な場所を訪問することをお勧めします。

朝9時前に到着した私。教会の南に車を停めました。

最寄の La Pieve(教会)という名のバルでコーヒーを飲んでトイレを借り、

まだ、教区司祭を呼び出すのは早いかなあ、と教会のfaçadeを眺め、

façade前の広場には、猫がいっぱい

教会の中より先に、教会の裏側のエトルリアの祭壇を見ることにしました。

後陣とエトルリアの祭壇

案内がいくつか掲示してありました。

1960年代後半に発掘調査が行われ、現在のロマネスク教会は貴重な古代の聖堂の上に建てられていて、古代の聖堂は少なくとも紀元前5世紀から2世紀まで使われていたエトルリアの神殿だったことが判明したそうです。

図1はプランです。緑1はエトルリア神殿の祭壇、赤2は神殿前のテラスの壁、黄3は神殿への階段、橙4は教会下のエトルリア神殿の遺構、朱5はエトルリアの奉納盤、水6は旧(11世紀の)ロマネスク教会の後陣の遺構、青7は中世の城壁と住居跡だそう。

建物の変遷も図解してありました。

一番上がエトルリアの神殿、二番目が9~10世紀の最初のカトリック教会、三番目が11世紀初めのロマネスク教会、一番下が13世紀のロマネスク教会だそう。

11世紀初めには、さっき猫がくつろいでいた辺りまでロマネスク教会だったんですねえ。びっくり。減築されて、改築されて、今の姿になったようです。

11世紀には後陣が三つあったそうです。
エトルリア神殿の祭壇

考古学的な遺産を見終わり、そろそろ教区司祭さんに頼んで教会の鍵を開けてもらおうと、教会の右の建物へ行き

緊張しながら呼び鈴を押しました。

が、誰も応答しません。長~~~~く押して鳴らし続けても、一切、応答なし。

仕方ないので、教会の左隣の食料品店ののれんをくぐります。

中に入ると、笑顔の素敵なラウラさんが挨拶してくれました。先客に対応中なので待っててね、って感じの挨拶。先客のおばあさんは、忘れもしないリタと言う名前でしてね、少し時間がかかる人。ようやっと、お会計かと思うと、こないだ買ったチーズがどうだったから、とか、果物がねえ、とか、延々と続けます。私の後からも客が来て、

ついに私を含めて三人が、リタばあさん待ち。

「ほんっとに、これで最後よ」と言いながら待ってる私たち三人を振り返るリタばあさん、悩んだ末にハムを2枚スライスして欲しいとご注文。ラウラさんは巨大なハムの塊をスライサーに載せながら「大丈夫よ、リタ」と笑顔を絶やしません。

本当に大丈夫なんです。私を含めて三人とも、当然と思って静かに待ってましたよ。そして、どうにかリタばあさんの買い物が終わり、店内に不思議な開放感が漂う中、ようやく私の番が回って来ました。

私「教会を訪問したいんですが」

ラウラさん、瞬時に全てを察した様子で鍵を取り出しながら「鍵ですね?」と。

私「はい、教区司祭の呼び鈴をならしたんですけど」

なんと、私の後から来た客を含め、店にいた全員が笑いながら「誰もいなかったんでしょ」「いつものことよね」「ほんっと、いっつも出歩いてるから」と口々に。

教区司祭、ただものじゃなさそうですな😁

façade

ラウラさんは他の客に「すぐ戻りますから」と言って私と一緒に隣の教会へ行き、鍵を開けてくれました。そして、ドア・ストッパーを使って扉を開いた状態にしながら「後はご自由にどうぞ!ただ、見終わったら、このドア・ストッパーを外して扉を閉めるのを忘れないでください。オートロックなので、それで施錠できます。」とのこと。客が待つ食料品店に帰って行きました。

働き者で気が利いて気立てが良くて、笑顔が美しいラウラさん。惚れ惚れしました。

façade
façadeを背にして後陣を向く
南側廊。買った本によれば、ここが初期のカトリック教会のあった場所だそうです。
北側廊
後陣を背にしてfaçadeを向く

あ、なんか、ある。

西扉口を入ってすぐの場所に、本が置いてあります。

私が買ったのは、これと、

これ。

値段が書いてあるけど、15ユーロだったのを「10」って上書きしてある。なんだか、、、

スーパーのお値引きシールみたい😅

それは、さておき。両方とも教区司祭のアルフィオ・スカリーニ(Alfio Scarini)神父が著した本です。私は、教会に親しみを持って欲しいという神父の気持ちがこもっていると感じました。青いのは1996年の本で、この教会に特化した内容です。オレンジのは1998年の本で、地域の他の教会も写真入りで紹介してあって、あちこち行きたくなること、請け合い。

ピエヴェ・ア・ソーカナ(Pieve A Socana)のサンタントニオ教会(Chiesa di Sant’Antonino)。減築、修繕されたロマネスク教会の在りし日や古代の神殿を偲び、働き者のラウラさんに感謝して見学を終えたのでした。

 

 

 

 

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